数年前、マンションの管理組合の理事長に任命されていた事があった。
マンション管理は管理会社が行っているため、理事長としての仕事は2か月に1回程度の理事会の出席、及び定時総会の司会程度である。
もともと管理組合の理事の仕事に興味があったので、理事会に出席する事は自分自身の勉強にもなり、またマンション内の他の所有者とも親しくする事が出来て有意義であった。
さて、定時総会の際、自転車置き場が狭くなったため、通路を広げてほしいと議題があった。しかし、自転車置き場と公道の間には駐車場があり、通路を広げると車の出し入れが窮屈になってしまう。
その時は駐車場を立体駐車場から平置きの駐車場にするため解体工事をしており、このタイミングの工事が出来ればコスト削減が数十万円出来るという。
自転車置き場の拡張工事に賛成・反対の各票数が過半数に届かず、理事長である私に一任される事になった。自動車を保有しているマンションのボス（？）の視線が気になる中、私は拡張工事反対の決断をした。
拡張工事をすると自動車が公道に出入りする際の危険が高まる事、自転車置き場の拡張工事はコストはかかるが別のタイミングでも出来るからだ（マンションに住んでいる家族構成が変わる可能性も大きいので）。
理事長の責任の重さを感じさせられる時であった。
